ナツノ100冊まであと1冊。
8月の勝浦朝市。
書籍の売上冊数は99冊でした…おしい。
出店日数は平日が7日、土日祝が7日ののべ14日間。
新刊、つまり編集室の本の売上が48冊。
古本のうち、
我孫子市にあるブックカフェ「North Lake Cafe & Books」さんからの委託販売分が42冊、
私の読み終わった古本などが9冊、
という内訳です。
…と書くとものすごく売れたように思われますが、この情報だけで小商い的な憧れを持たれてしまうと危険ですので現実的なことも書きます。
出店料と交通費を差し引いた8月の朝市出店の営業利益を出すと、月10万円田舎暮らし生活を実現しててもなお20日間くらいしか生活が持たない。生活市にフル出場したら、生活ができなくなるという皮肉な現実というのが結果でした。
実際のところ編集室の収入は、カフェや美術館、直取引可能な書店などへの卸販売が最大の収入の柱となっていて、そこにオンライン販売による利益や雑誌やwebへの連載記事の原稿料などが肉付けされています。要は、仕事の組み合わせによって日々の生活費を捻出し、朝市出店への継続性を生み出している状態です。
とはいえ、単発イベントではなく、こうしたデイリーな市でアベレージ7冊売れるのはすごいことですよ~、と幕張にある「本屋lighthouse」関口さんの弁。これを聞いてちょっと自信が持てたかな(笑)。確かに収益面での大黒柱は難しいけれども、朝市出店は柱の一つにはなりうる。まだまだですね。工夫の余地は無限大。
各出店者のみなさんも魚介や特定のフード・ドリンクを除き、実店舗経営(つまりメインの仕事としての本業がある)による収入や、年金(貯金?)と組み合わせていることで出店の継続性を担保しているケースが多いように思う。
観光資源、福祉、コミュニティ面における朝市の価値を見出し、存在意義を謳うのはもちろん必要だが、伝統という言葉をノスタルジーの文脈で消費して満足するのではなく、出店者の立場から、生業として成立する水準を目指すのか、お小遣い稼ぎで良しとするかは、タブー視せずに問われるべきだと思う。
特に新規参入者にはハードルが高く、実質、最初のうちはちょくちょく出てたものの、
いつの間か月一月二のペースに落ち、日曜しか出店しない出店者も多々ある(逆に、それでもいいんじゃないっていう、多様さを認めあえる雰囲気があってもいいと個人的には思う)。
近隣地域のマルシェや朝市を観察すると、大多喜町のハーブガーデンで行われている「あつまんべ市」や、いすみ市の「港の朝市」(コロナ禍で休止中)は毎日ではなく毎週または月に数回、日曜日に集約されて行われている。本業がある立場からすると、こちらの方が出店への安心感は格段に、ある。だが、毎日行う朝市にもデイリーだからこその良さは確かにある。どちらが正解かはわからない。でもね、「今日も客すくねーなー」っていうじいちゃんばあちゃんのつぶやきを聞き続けるのは精神的に結構堪えるのであります。
◆
朝市考が長くなりましたが、8月は7月の朝市観察を踏まえて、ノースレイクさんから仕入れる古本を「絵本」にガラリと変えました。これが大ブレイクした。
絵本のおかげで、確実に子どもたちが寄ってくれるようになった。
絵本を携える親御さんが朝市のストリートの風景になった。
「学校で読み聞かせをしてるんです」
「東京でブックカフェをやりたいと思って」
…会話が今までにないほど広がった。
いろいろ冒頭で述べたけれども、初めて「本」と「朝市」が「場」としてシンクロした実感を持つことのできた14日間であるのは間違いなかった。
ちなみに売上NO1は、やはりというか有難いことに、勝浦朝市も取材した編集室の本『BOSO DAILY TOURISM』。16人の手に渡った。この時、このリヤカー屋台は房総観光案内所に様変わり。おすすめなところがありすぎて、暑苦しいくらいにお客さんに房総案内します。これも私の存在理由かな(笑)
屋台の本棚がスカスカになってきたので、9月頭にノースレイクさんへ仕入れに。9月も絵本いっぱい持っていきます。
そうそう、朝市コーヒーでお馴染みの「spaice coffee」さんで
『 BOSO COFFEE Ⅱ 』
の取り扱いが始まりました。
コーヒーのお供にぜひ頁をめくってみてください
■勝浦朝市
https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/
※水曜日以外の毎日開催
※編集室では毎週日曜日を基本に、余裕のある日は日曜以外にも出店します。雨天予報時や他のイベント出店時には日曜もお休みすることがあります。詳細はインスタグラムのプロフィイール欄をご覧ください。