旅が終わってみたら、あちこちで出逢った本が山のよう(笑)
Posted on 2016.7.4
【5/13】「山あいの本屋さんへ」
山口県の日本海側、長門市の山間部。湯治場でもある俵山温泉のさらに外れに本屋さんはありました。緑に抱かれた山小屋のような建物。中にお邪魔すると、じっくりと手に取ってみたくなる本や雑貨、器がそこにありました。
カフェスペースでコーヒーを。畑や母屋から暮らしの気配が漂って来て、凛としたなかにほっとした温かさがあるのです。古い民藝の雑誌や、この後訪ねる大分県日田市のリトルプレス『木都 日田案内』(ヤブクグリ刊)を購入しました。
■ロバの本屋(山口県長門市)
【5/14】「棚田の集落へ(2)~自然とともにある民窯・小鹿田」
民藝運動の推進者、柳宗悦の著書を読み込んでいくうちに、ここは必ず訪ねたいと思っていたのが「小鹿田(おんた)焼」の皿山集落です。福岡県東峰村から峠を越えて、大分県日田市の山あいの里、皿山へ。昨今の民藝ブームで、益子みたいにカフェやオシャレな雑貨店があるのかと思いきやそんなものはなく(おそば屋さんはありました・笑)、もう窯元の佇まいそのものが、集落の姿なのです。こんなところがまだ日本にあるとは驚きです。
静かな集落を歩くと、まるで民謡の節のような「ギアァ~」と伸びやかな音がしたと思うや「トスン」と。沢水の流れを利用した唐臼があちこちにあるのですが、実はこれ、山の土を砕くため。これを陶土にするのです。峠道では山から切り出した薪がいっぱい山積みになっていました。
ろくろは蹴轆轤(けろくろ)。全行程手作業で一子相伝の伝統が今も息づきます。昔は農業をしながら作陶する暮らしだったといいます。今は作陶は専業化しましたが、家族ぐるみでの作業というのは変わっていません。幾つか訪ねた窯元の一つ坂本浩二さんの窯ではおばあちゃんにご対応いただきましたが「お父さんが土を作ってくれて、孫が器を作ってるんです」とにこやかに教えてくれました。別の窯ではお母さんの洗い物の作業の前で、子どもたちが虫取りしていたり・・・・・かつての日本のものづくりの現場って、こんな感じだったのでしょうか。本当に気持ちのいい場でした。
【5/15】「pathさんの原点を訪ねて~熊本県小国町のパン屋さん」
こんなツリーハウスのようなパン屋さんがあるなんて!!
・・・下から見上げるとそんな感じ。逆に上から見下ろすと、木立に囲まれた小島のようにぽっかり浮かんでいるかのよう。新緑の木々を抜けるそよ風とパンの匂いがここちよく頬を撫でていきます。ほぼ平静を取り戻している小国町。ひっきりなしに人が訪れるパン屋さん。
ここ「そらいろのたね」は『房総カフェll 美の遺伝子』で紹介させていただいた、我孫子市のスモールベーカリー パスの髙田さんがかつて働いていたパン屋さん。実際訪ねてみて、あぁ~なるほど!と頷くこと頻り。お店の外壁、こぢんまりとした売り場スペース、クロワッサンやクリームパンの風味、そしてお客さんでごったがえしていながらも、お店の方とお客さんのにこやかな会話が絶えないその様子・・・・・もうパスさんとあまりにもそっくり(笑)。まさかここまで似ているとは思いもよりませんでした!!唯一の大きな違いは周りの自然環境といったところでしょうか。
本のお話をすると、なんとお店の方が先日我孫子のパスを訪ねられていたそうで、これにもびっくり(笑)『美の遺伝子』を差し上げると、なんとお礼に阿蘇・湯布院エリアのカフェ本をいただいちゃいました。これは本当に嬉しい物々交換でした(笑)
【5/15】「鯉のぼりに復興への祈りを込めて」
熊本県北部に位置する小国町、1800年の歴史を誇る名湯・杖立温泉です。共同浴場に浸かりに来たのですが、なんと3400匹にも及ぶ鯉のぼりが出迎えてくれました!
ひとっ風呂浴びた後に、その昔存在したという「甘玉子」にヒントを得たご当地スイーツ「杖立プリン」を頰張ります。川のせせらぎを聞きながら、ゆっくりと湯上がりのコーヒーを味わう・・・至福のひと時です。帰り際、白水荘のおかみさんに地震の影響についてお話を伺うことができました。人的被害はなかったものの、お客さんがガクンと減ったとのこと。
「この鯉のぼりは40年くらい前からやっているものです。いつもはGWが終わると片付けるのですが、今年はこういう状況ですから。今月いっぱい行います」
「(宿は)福岡の方からはぽつぽついらっしゃってましたが、ようやく最近になって熊本からのお客さんも泊まりに来ていただけるようになりました。北と南が塞がれちゃったのが大きいですね」
南というのは影響の大きい阿蘇地方のこと。北というのは大分県日田市と杖立を結ぶ国道212号線が落石で通行止めになっていることを指します。県外の方は県道の迂回路も知らないだろうと、憂慮されていました。
一方、おかみさんが「伝承芝居」について教えてくれました。住民の方々手づくりの芝居で、50年以上もの歴史があるそう。
「うちの息子もでますよ。今年は副町長も出る予定みたいですね」
とちょっと嬉しそうな表情が印象的でした。杖立伝承芝居は毎年同じ日、5月27日、28日に開催されます。少しでも賑わいが戻る事を祈っております。
■杖立温泉旅館組合
【5/16】「ノースレイクさんのコーヒーの源流を訪ねて~宮崎市」
『房総カフェ 美の遺伝子』で紹介させていただいた我孫子市のブックカフェ「North Lake Cafe & Books」さんのコーヒー。実はここ、宮崎市にある「COFFEE ROASTER HAMASAKI」で焙煎されたコーヒーなのです。よぉく見たら、ロースターの手前に、ノースレイクさんで展示会もされた「エハガキ華」さんのポストカードが!
せっかくですので店主の濱﨑さんに、ノースレイク用のオリジナルブレンドに近い味わいのコーヒーをネルドリップで淹れていただきました。これがまた美味しいこと!コーヒー豆も買おうと選んでいると、「ノースレイクの松田さんはこれにビビッときたんですよ」というグァテマラをおすすめしていただきました(笑)どんな風味か楽しみです♫
HAMASAKIさんは早九年目になるそうで、ユニークなことに営業終了後はカフェスペースがなんと学習塾に!濱﨑さんご本人が教えてらっしゃるそうです。なんだか南房総のシラハマアパートメントを思い出しちゃいましたよ(笑)
さて濱﨑さん、松田ご夫妻がいらした時に、とある本屋を紹介されたのだとか。その本屋さんとはいかに!?
■COFFEE ROASTER HAMASAKI
【5/16】「またまたノースさん繫がりで」
またまた我孫子市のブックカフェ「North Lake Cafe & Books」さん繫がりのお店。「きままさんっていう、多分沼尻さん好みの本屋があるんです、フフフ・・・」とニヤリと笑うノースレイクの松田さん。その笑みを旅の指針に訪ねたのが宮崎市内、県庁の近くにある「KIMAMA BOOKS」さんです。
「ちょうど僕がいない時にいらっしゃたみたいでね~。お二人でいらしてくれたみたいで。うちでお出ししてるコーヒーもそうですが、同じく『HAMASAKI』さん繫がりで」と笑う、店主のクドウタツヒコさん。エニーレートグラフィックスという屋号でデザインのお仕事もされているそうですが、さらになんと!先週、神戸の本屋「1003」で購入したリトルプレス『宮崎パン日和』の制作にも携わられていたのです(デザイン担当だそうです)。これはもう嬉しくなっちゃいまして、ついつい本にサインをお願いしてしまいました(笑)
この日、塗師の赤木明登さんの奥様、智子さんの本と、三谷龍二さん、それぞれ私の大好きな作家さんの本がなんと古書で絶賛販売中だったので即買い。いやぁーついてた(笑)。
さらに、クドウさんから近くで行われている熊本を応援する「行商」の催しを教えていただきました。これは行かねば・・・ということで、宮崎滞在、延長戦です(笑)。
■KIMAMA BOOKS(宮崎市)
【5/16】「昭和36年からの味~チキン南蛮」
本日は我孫子市にある「North Lake Cafe & Books」さんにまつわる宮崎のお店巡り。非常に面白い出逢いの連発でした♫
一息ついて夕ご飯に「おぐら」本店で。
ジュワッとしたチキンにこのタルタルソースが旨い
【5/17】『熊本よりこんにちは。行商にまいりました~』
という、熊本地震の被災地、阿蘇地方の作り手たちを応援するプチマーケットが宮崎市内で行われていると、キママブックスさんに教えていただき訪ねてみました。
宮崎県庁やキママブックスさんから歩いてすぐの場所に、「真ん中ビル」というちょっと面白い建物があります。貸しスペースや活版印刷&デザイン室などがあり、街のコミュニティスペースに。はなうた活版堂の脇川さんがいらっしゃったので、キママのクドウさんにもしてもらったようにリトルプレス『宮崎パン日和』にサインをしてもらっちゃいました♫(ぱんとたまねぎさんとともに、お二人ともパン日和の作り手なのです)。
で、この脇川さんのお知り合いのキタカゼパンチさんが、阿蘇を拠点に活動されていたことから、仲間の阿蘇地方の作り手たちに呼びかけて、『熊本よりこんにちは。行商にまいりました~』という、阿蘇応援手づくり市が開催されるに至ったのです。22日まで開催中です。
阿蘇市の中心部はまちづくりとしても元々注目されていたエリアで、オシャレなカフェもいっぱい。シンボルの阿蘇神社の被害は甚大でしたが、界隈のお店自体は営業を再開されているところが多いそうです。だからこそ、応援の気持ちでお買い物・・・とも思ったのですが、それ以前に天然石鹸や、マクロビのクッキーなどなど、素敵なモノばかり!ついつい手が伸びちゃいました(笑)再び立ち上がった阿蘇の町を訪ねたい、また新たな旅の目標ができました。
■毎日新聞でも記事が公開されています
http://mainichi.jp/articles/20160515/ddl/k45/040/176000c
■真ん中ビル
【5/17】「早くも青々とした田んぼの一角で」
さすが南国宮崎。先週、三重の丸山千枚田では田植えをしていたというのに、ここ宮崎ではもうこんなに稲が成長しています。空気の匂いも、すこしむわんとした、初夏を思わせるようなウェット感。遠くまできたな~と改めて思います(笑)
さて、なんとここでまたまた『美の遺伝子』でご紹介した「North Lake Cafe & Books」の松田さん繫がりのお店へ。宮崎市の市街地から青島へ至る途中にある「S&Y WORK SHOP」の安田さんは、松田さんが衣類関連のお仕事をしていた時からのおつきあいだそう。
『天然素材を中心とした衣料とビーチカルチャー系のアウトドア商品を扱うEcology Store』のS&Y。安田さんは松田さんが贈った雑誌『民藝』にも共感を覚えるところが多かったと云います。安田さんが知人の職人に依頼して創り上げる衣類は過度な模様に頼らず、ありのままのカタチでしっかり「キマル」ようになっているのです・・・実際手に取らせていただきうーんなるほど!と頷いちゃいました(笑)
大阪から移住して、サーフィンを楽しんだり、家族との時間を大切にされたり、新たな生活を宮崎で築いている安田さん。
「『服』という言葉じゃなくて、『衣類』って呼ぶんです。衣食住の「衣」だから」
そんな安田さんの言葉に、暮らしに根付いたモノづくりの姿勢が宿っている気がしてなりません。
■S&Y WORK SHOP(宮崎市)
【5/18】『川が私を受け入れてくれた The river embraced me』
(川内倫子 torch press 2016年)
熊本地震後に訪ねた熊本市内の書店「橙書店」で出逢った一冊です。熊本市民から思い出のエピソードを集め、その地を写真家の川内倫子氏が撮影し、その写真は今年の3月末まで熊本市現代美術館で開催されていた「川内倫子展 川が私を受け入れてくれた」で公開されました。その写真の数々を収めたのが同書です。何の変哲もない日常だけれど、誰かにとってはかけがえのない記憶なのかもしれない。瑞々しい写真に触れるうちに、今、この瞬間の愛おしさが込み上げてきます。熊本のいつもの日常が、早く取り戻せますように…。
熊本市内の商店街から熊本城にかけて歩く。商店街を行き交う人々の光景、そこだけ見れば日常的。そう、意外に日常的光景だった。が、一方で被災した店舗やビル、そして熊本城があり、復旧する人がいる。このコントラストがあまりにも先鋭化して見えてしまった。日常的光景の中の人たちにも抱えた想いがあり、また益城町など、さらに被害が深刻な地域にはさらなる大変さを抱えているはず。被災地といって一括りにして俯瞰していては感覚として掴めなかった、この「レイヤー感」。いや、被災地に限らず、社会にはこうした見えにくいレイヤーがいっぱいある。そんなことを気が付かされる。
【5/19】「モバイル寿司屋が出店していてちょっと感動!呼子朝市」
四角い立方体をカラカラ引っ張ってきたなーと思ったら寿司屋になった!予想外の展開に笑いが止まらない、面白過ぎる唐津市の呼子朝市。平日ながらなかなかの賑わい。九州ではこちらが日本三大朝市の一つと認識されているケースも多いようです。
朝市寿司屋は「ひろまる鯖寿司茶屋」という屋号で名前の通り寿司が売り。いやもうね、港町の朝市で寿司屋の出店なんて超理想形でしょ!嬉しくなっちゃって炙り鯖寿司や特産のイカを使った稲荷寿司を購入。この稲荷も一個120円と食べ歩きに最高。それにしても生モノでよく出店できますね~と尋ねたら、「いや、店がすぐそこなんだよ。だから店で作ってすぐ持って来れるんだ」とのこと。なるほど。
ウォッチングして感じたのはこの「出店者」と「店舗」の距離感の近さ。界隈の店々では魚を捌いていたり、名物のイカしゅうまいを出してみたり、網焼きの魚介を売ったり、饅頭を売ったりと、朝市出店者の露店も面白いのですが、それに負けず劣らず既存店舗の商いのライブ感が次々迫って来るので、なんというかちょっとしたカオス感があります。それがたまらなく面白い、興奮します!そこに「サバ、おいしかよ~」「お兄さん、ふた箱千円でよろしいですよ!」なんで掛け声が響く・・・。
紀伊勝浦の朝市で「ムッキーちゃん」をGETしていたので、甘夏を道中食べようと思い、おばあちゃんの店で買ったら「私が作ってんのよ」とのこと。さらに隣りに並んでいたアカウニやサザエは「これなんか、お父さんが獲って来たもの」。改めて寿司屋の旦那に聞くと「農家さんも漁師さんも、直接出店してるよ」とのこと。漁師さんが直に出店ってのも凄いなと感心しきり。
あと、個人的に目がいったのは露店の佇まい。後輪が一輪、前輪が二輪というユニークな自転車の上に板を敷いて商品を陳列、そしてパラソル・・・というのがスタンダードなスタイルで、よくできてるなーと感心。大八車のばあちゃんは、朝市出店のあと、路地を回って行商をしていた。商魂魂素晴らしい。しかも軒下に座ってじいちゃんばあちゃんがそれを待っていて、くると井戸端会議に・・・商いのスケール感といい、スピード感といい、目からウロコな呼子なのでした。
【5/20】「海へ。海から。」
歩く民俗学者、宮本常一のふるさとを訪ねて周防大島へ。
そこからさらに沖家室島へ渡ると、
山の斜面いっぱいに墓地が広がり、
海を見下ろしていました。
一番てっぺんの
一番見晴らしのいいところに
第二次大戦でなくなられた方々のお墓、
慰霊碑がありました。
一礼して、お墓の前から写真を撮らせていただく、
平和を祈りながら。
ここは、願いが一つの風景になっています。
【5/21】「この気持ちのいい五月晴れの日常が愛おしい」
島から、広島市平和記念公園へ。修学旅行でも添乗時代にも行く機会がなく、ぜひ訪ねたいと思っていました。行って良かったです。悲劇と悲しみが直に響いてきます。各国からみえられている方が多く、一堂に真剣に展示内容に見入ってられたのが印象的でした。平和への願いは世界共通であってほしいです。
【5/21】「夕映えの本屋さんで、再び」
岡山市と玉野市の間に広がる児島湖の夕日が美しく、一昨年の暮れに訪ねた時と同じバス停で、思わず写真を撮ってしまいました。界隈の麦秋の田園風景も旅情をそそります。
ここ、451BOOKSさんを訪ねるのは2回目。前回訪ねた時と本の配置があちこちで変わっていて「お~、これは!」という本との出逢いも。ついついいっぱい買っちゃいました(笑)。ちなみにこのパン本の「ぱんとたまねぎ」さんは、先日ご紹介しました『宮崎パン日和』の作り手の一人でもあります。
さらに451BOOKS店主の根木さん自ら印刷、製本まで手掛けたという、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』。和紙に印刷されたその質感の素晴らしさもさることながら、陰翳礼讃の解説を写真を交えて記載し、読みやすく分かりやすく編集されているので「こういうのを待ってました」とばかりに即買いです(笑)。『陰翳礼讃』は有名だけれど読解するのがたいへんだったんですよね。ちなみに50部ほど作られたそうですが、このようなオリジナルレーベルもいいですね!
今回は『美の遺伝子』のほか、完売していた『房総カフェ』の第一弾も追加納品させていただきました。451さんで千葉へ移住する知人への餞別にと、『房総カフェ』を購入してくださった方がいて、さらにその移住された知人の方が木更津のイベントまで足を運んで『美の遺伝子』を購入してくれたという、作り手としてはこの上なく嬉しい出来事がありました。本は、人を呼び寄せる、人を繋ぎ、また想いを馳せる力があるのだなぁと、感動しました。そんなきっかけをいただいた根木さんには本当に感謝でございます!
■451BOOKS(岡山県玉野市)
【5/22】「棚田の上の本屋さん。暮らしの気配に、心地良いカフェと」
ここは天空の集落なのでしょうか。物部川に落ち込む山の斜面に、それこそ渦巻きのごとく上へ、うえへと道が続いています。伐り拓いた僅かな平地に家々と、石積みの田畑が、長きにわたる暮らしの蓄積を物語っています。この風景に南信州の遠山郷、下栗集落を思い出しました。甘やかな柑橘の花の匂いに誘われて辿り着いたのは、こんな集落にある本屋さん「うずまき舎」さんです。ここは、アンパンマンミュージアムのある高知県香美市です。
建物の中には書棚とカフェスペースがあります。黄金柑のドリンクをいただきながらじっくりと本の世界に浸りつつ、店主の村上さんと本や、ここ中谷集落のこと、この地での暮らしぶりなど、お話を伺いました。畑や乾燥中のドクダミ、そして書棚の表情から村上さんの暮らしぶりも窺えます(笑)。カウンター席からは谷向こうの山並みが見渡せ、晴れた日には庭から太平洋の水平線が見えるそうです。
コーヒーやモノづくりに関する本を購入させていただきましたが、本選びだけでなく、村上さんのお話が実に楽しかった!村上さんはご自身でデザインの仕事をされたり、『うずまき新聞』も発行されています。本屋だけではやりくりは大変だそうですが、「売れるという事だけで本を仕入れたら数字にとらわれてしまうようで。貯金の代わりに、想いのある本なら置いててもいいかなって思えるんです」という言葉が印象的でした。
■うずまき舎(高知県香美市)
【5/23】「元・千葉県のタウン誌編集者が、元・徳島県のタウン誌編集者のおすすめスポットを口コミしてもらって」
というような、面白い展開だった徳島市訪問(笑)
本と雑貨のお店「uta no tane」店主の森さん。かつて徳島のタウン誌編集者だそうで(今や某うどん本が有名になっている・・・)、会社を辞められてから物件探し、そしてuta no tane オープンに至るまでのお話をお伺いしました。「伝えたい、その方向性」を突きつめつつ「伝える意志」を推進力にされている。そして今お店は「人を紹介する場」として成長しているところ。そんなお話でしたが、とにかくその勢いに圧倒されました。
お店オープン後はショップカードのデザインや、フリーペーパー『あおあお』の取材執筆にと、忙しい日々を送られているそうです。『あおあお』はビジュアルだけではなく、内容も実に読み応えがあります。おすすめのフリーペーパーです。
おすすめといいますと、森さんから徳島のおすすめスポットをおしえてもらっちゃいました。カフェもあれば徳島ラーメン店もあり、その守備範囲は広い・・・さすが元タウン誌編集者(笑)
この日は、カフェ、古本屋、私設図書館(貸本屋)、ネイルサロン(今はオープン準備の工事中でした)が軒を連ねる「ナガヤプロジェクト」、そして徳島ラーメンの「巽屋」を巡りました。カフェで出逢った「ユルクル」(土佐清水市)の柿渋リネンcoffeeフィルター。これはついつい買っちゃいました。
■uta no tane(徳島市)
■あおあお
■ナガヤプロジェクト
https://www.facebook.com/nagaya.project
■ユルクル
【5/16】「再びのレティシア書房さん」
今、京都御所の南側エリアが面白いことになっています。町家を改装したお店が続々出来たり、ブックカフェや本屋さんがそこここに・・・。そんな京町家並ぶ路地の一角にあるのが「レティシア書房」さんです。
全国各地のリトルプレスが集まるレティシアさん。『房総カフェ』の第一弾の時からのおつきあいで、『美の遺伝子』も置いていただけることになりました。しかも第一弾の売れ行きを鑑みて、今回はちょっと多めに納品です!本当にありがとうございます!!
■しかも!さっそく書評をいただいています↓
http://book-laetitia.mond.jp/blog/2016/05/25/お久しぶりのミニプレスです/
レティシアさんでは、すずきまいこさんの絵本『ぼく生きたかったよ』の原画展が行われています(※現在は展示終了)。戦時中、各地で動物たちが殺されてしまったのですが、その中でも軍の命令で熊を殺害しなければならなかった京都市動物園の実話を絵本で伝えられています。愛情かけて育てていた飼育員の、その辛さがひしひしと伝わってきます。本をあわせてぜひその原画をご覧いただければと思います。翌日、京都新聞には、その紹介記事が掲載されていました。
あと、店内にはミシマ社さんが作られた手づくりPOP風界隈MAPが掲げられています。本好きの方はぜひぜひご覧下さい!(これ、写真を撮っていかれる方が多いそうです・笑)
■レティシア書房(京都市中京区)
【5/25】「修学旅行生と外国の方でいっぱい」
昨日は天神さんの日(縁日)。
今回も京町家ゲストハウス「まくや」さんでママチャリを借りて北野天満宮へ。イベント出店用のちょっとした什器を物色に伺いました。大好きなすぐき漬は残念ながらなかった(冬の漬物かな?)ものの、今回も掘り出し物がありましたよ~。毎月25日開催で、12月は仕舞い天神で大規模になります
【5/25】
京都ではもう一軒、『房総カフェ』の第一弾からおつきあいいただいているお店があります。それがココ、出町桝形商店街にある「風の駅 旅の情報ステーション京都」です。京都はもちろん、全国のリトルプレスのほか、各地の観光パンフや本・雑誌を閲覧できる図書スペースで、岩手県の震災復興を応援しているお店でもあります。
店主の太貫さん自身が『気になる京都』の「1」と「2」を自費出版されており、なにかと話が合います。さんてつサイダーをいただきながら、次の房総本の作戦会議(?)の様相となり、実に楽しく、またヒントもいただけた時間となりました。うん、次号は「アレ」だな(笑)
また、本屋としての姉妹店、岩手県大船渡市にある「ちっちゃなクレープ屋さん」にも『美の遺伝子』を置いていただけることになりました!ありがとうございます!!また盛岡やタイマグラに行ったついでに、クレープ頰張りに行きたいな~。椿クレープ、三鉄クレープがブレイク中だそうですよ(笑)
■風の駅(京都市)
http://kazenoeki.main.jp/index.html
※過去のレポート
http://classicaldesign.jimdo.com/…/気になる京都-あの店-あの場所-を発行する店主…/
■ちっちゃなクレープ屋さん(岩手県大船渡市)
【5/27】「今回の西日本一周の旅でお世話になった関西のみなさまへ」
これが「房総」です。
昨日、神奈川県の三浦半島から東京湾フェリーに乗り、房総半島の金谷港に上陸し、三週間にわたる旅が終わりました。
千葉は確かに東京のベッドタウンですが、紛れも無く「半島」です。そこに、未知なる過去、未来へのフロンティアがあります。
千葉は、房総です。
これからも房総を編集し続けます。
素敵な旅の出逢いをありがとうございました。