時を宿した空間の品位。女性たちの感性を散りばめながら
乾物問屋、米屋、医院など、その風情と威厳を兼ね備えた佇まいは、房総の海の玄関口として栄えた木更津の矜持を、今に伝えています。
ショッピングモールやアウトレットモールの開業で話題華やかなりし港湾地区。一方で、里山の落ち着いた表情をなす山側の矢那地域。そのいずれでもない、さらに「もうひとつ」の木更津を挙げるならば、この「木更津駅西口界隈」ではないでしょうか。
今日は木更津市立図書館の近くにあるカフェ、まろねさんが出店されている催し「セピアの招待状」(3月9日まで開催)の会場、「金沢美容室」に足を運びました。
木更津市で暮らしていた『ぐるっと千葉』の編集者時代、いくつか通っていたカフェや珈琲屋さんがあります。その中のひとつ、住んでいたアパートから歩いて10分足らずのところにあったのが「marone(まろね)」さん(木更津市文京2-6-34)です。
通りに面しているものの、間口が狭く、車に乗られている方は気が付かないかもしれません。お店もたいへん小さいのですが、並べられた雑貨やファニチャーから、カフェを、暮らしをもっとかわいく、弾むような愉しさで彩りましょう、そんな心地よい感性が溢れているのです。プライベート利用以外にも、桜特集で矢那川の桜とともに、まろねさんのスイーツを取材させていただいたりと、思い出深いカフェのひとつです。
そのmaroneさんがほかのお店の方々と、金沢美容室のレトロな空間を活用してプチマルシェを行ないました。
ステンドグラスが嵌め込まれた木の扉。
その向こうに、
時空を超えた「セピア」の空間が待っていたのです。
「シャンデリアが違和感なく目に映る空間」
に驚きました。華美が過ぎたシャンデリアはよく見てきましたが、まったく空間に溶け込んでいます。
湾曲を描いたカウンター、
美容道具を保管していたのだろう大きな棚、
角をとられた鏡のさり気ない意匠。
それは時を宿した空間の品位です。
この素敵な「セピア色の招待状」は、まろねさんほか、髪飾りなどのアクセサリーを販売する「Emma」さん、生花を美しくアレンジされる「Episode」さん、コサージュを作られる「工房nona」さんが参加されるユニット「MEEN(ミーン)」の企画。各屋号の頭文字を取って「MEEN」なのだそうです(笑)。たびたびMEENで催しを行なわれ来たそうです。
女性たちのユニットなのですが、習志野・八千代エリアにあった「homegirl」を思い出させます。女性たちの感性が集まると、ほんとうに素敵な存在感に飛躍する。今まで知らなかった世界だったけれども、男性も思わず「おぉ!」と唸ってしまう。そんな感じがします。
■「MEEN(ミーン)」
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まろねさんでは「丸寝新聞」なる媒体も発行されていて、毎日新聞のパロディになっていて思わずクスリ。なんとなく、毎日新聞のロゴマークとまろねさんのロゴマークが似てるんですね(笑)
新聞には春めいたランチが掲載されていますが、3月も下旬になると、カフェ近くの矢那川も、桜の花で彩られることでしょう。お花見とまろねカフェ。これ、おすすめの組み合わせですよ。