地域を越えて繋がるローカルからの価値観。そして、念願叶って『自休自足 カフェの本』と出逢いました〜京都市「レティシア書房」

 京都市の街中に、全国のリトルプレスが一堂に会する場が

全国各地のリトルプレスが一堂に。各地から発せられる「価値観」という表情を一瞥してみると、その「雰囲気」から通底して共通している事が感覚的に伝わってくる・・・そんな気がします
全国各地のリトルプレスが一堂に。各地から発せられる「価値観」という表情を一瞥してみると、その「雰囲気」から通底して共通している事が感覚的に伝わってくる・・・そんな気がします

関西本屋さんめぐりの3日目は京都です。

前日夜から西陣にある京町屋ゲストハウス「まくや」さんに宿泊(ユニークなオーナーさんで、チェックイン時点から3時間も話が盛り上がってしまいました・笑)。

京町家ゲストハウスのまくやさん。気さくなオーナーご夫妻が切り盛りされています
京町家ゲストハウスのまくやさん。気さくなオーナーご夫妻が切り盛りされています

宿泊客にママチャリを無料でレンタルしてくれるということで、チェックアウト後にママチャリに跨がって京都の街中を駆け回ります。その中で訪ねたお店のひとつがこちらです。

■古書・ミニプレス&ギャラリー レティシア書房

京都市中京区高倉通り二条下がる瓦町551

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お店の場所は京都御所の南側エリア。丸太町と烏丸御池の間辺りで、東西に走る二条通りと、南北に貫く高倉通りが交わる辻あたりです。アンティーク雑貨店やパン屋、カフェなどが混在する街並みに溶け込むようにお店があります。


レティア書房さんでは店名の通り、古書や全国各地のリトルプレスの取扱いのほか、ギャラリースペースもあります。ちょうどこの日は、加藤ますみさんによる「ZUSのFELT展」が行われていました。ヤギやクジラのティッシュケースがユニークで愛らしいですね。


店主の小西徹さんは、長年新刊書店で勤めてこられましたが、


「情報は東京だけから発信されるのではない」


との想いを抱くようになり、もっと


「同じ価値観で繋がる」


そんな場を作りたいと、原点回帰の意味も込めてレティシア書房をオープンされました。そんな姿勢に惹かれてか、遠く北海道から直接リトルプレスの持込みもあったそうです。


時には店内のギャラリースペースを活用した、リトルプレスを発行している自らの地域文化を発信する催しも行うそうです。これまでに『せとうち暮らし』さんが展示会を行いました。


「本を媒介に遊べる」


そんな本の可能性の実践場として、この場があるのかもしれません。

そしてこのレティシア書房さんで、ずっと探していた・・・というよりも、もうリアル店舗では手に入れる事はできないんだろうなと思っていた一冊と出逢う事になりました。


房総・長生のKUSA、茨城・結城のcafe LA FAMILLE、そして島根・三瓶のドマカフェ・・・旅にいざなうカフェの数々が一堂に掲載された、個人的に旅系のカフェ本の、ひとつの基点となっている本です。FAMILLEさんを訪ねる度に、閲覧用に置いてあったこの本を手に取っていました。

『自休自足 カフェの本』(第一プログレス 2007年)

まさか、京都の本屋さんで出逢う事になるとは。本との出逢いも一期一会。有り難く購入させていただきました。


この『カフェの本』は、グルメなガイド本とは一線を画し、暮らしや生き方という価値観が通底しており、それが東京以外のカフェに主軸が置かれているところがたいへん興味深いところです。しかも10年近くも前から。


こんな、私の好きなカフェ本との出逢いをもたらせてくれたのも、レティシアさんの場と、その価値観のおかげ、なのかもしれませんね。



※小西さんの『店長日誌』に弊著『房総カフェ』の書評をいただきました。

 誠にありがとうございます。 →  ●