古本市にカフェに、様々な出逢いに感謝です
Posted on 2015.10.20
先日の日曜日は千葉県北西部の街、柏市で行われた一箱古本市「本まっち柏」に出店させていただきました。
本まっち柏は、街中の店の軒先を借りて行う本のストリートフリマのような催し。お店さんが無償で軒下を提供してくれているそうでして、そういう陰ながらの協力もあって市が成り立っているんだなと思わずうんうんと感心。本好きなら誰でも参加OKという気軽さが魅了的です(もちろん定員はありますが)。ストリートにいつもとは違う賑わいの風景。お店の見た目も、本の選書にも個性が光っています。また、出店者さんもお客さんも、東京からいらした方もおられました。ひょっとして本好きには多少の距離も関係ない?(笑)
ざっと見た感じ、ジャンルに特化した個性的な本がある一方、100〜200円くらいのかなりリーズナブルな本がいっぱいあるなぁという印象を受けました。
このような中で、新刊である拙著を手に取ってもらえるのだろうか・・・という不安がありましたが、おかげさまで自費出版本「房総カフェ」も、新刊「千葉の海カフェ」もお買い求めいただきました。直接お話をさせていただいてこちらも楽しませていただきました。また、最初に「房総カフェ」を購入いただき、「じっくり読んだら、スゴくよかったので!」と、わざわざ戻って来てくれて「海カフェ」を追加でお買い求めいただいたお客さんも。いやぁ、これは本当に嬉しかったですね。苦労してよかった。いらしてくれたみなさま、本当にありがとうございました。
本と一緒に販売させていただいた、房総半島の内陸の里山にある「焙煎香房・抱(HUG)」さんの珈琲豆も旅立って行きました。たまたまかもしれませんが、深煎りを好まれるお客さんが多かったですね。ぜひ一度、大多喜町の喫茶室で、ドリップしたての一杯をご堪能いただければと思います。
そして、本まっち柏にはお世話になっている我孫子市、手賀沼北岸のブックカフェ「North Lake Cafe & Books」さんも出店!本まっちは店主の松田さんに変わり、ピンチヒッター君が切り盛り。それにしても本の多さにびっくり。いやぁ、よく運んだなぁ(笑)
■North Lake Cafe & Books
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カッコいいので、ついついノースレイクオリジナルバッグを買っちゃいます。そして星野道夫著「森に還る日」も一緒に。
そしてもうひとつの注目のひと箱店主はこちら、「エハガキ華」さん。以前、ノースレイクさんで風景印の展示されていたユニークな作品の数々を拝見しておりました。風景印・・・いわゆる郵便局の「ご当地消印」蒐集されており、個性ある切手と風景印を組み合わせて作品を作られています。各市町村、実にたくさんのオリジナル印があり、ちょっとひと昔前なデザインが多いのも興味をそそられます。この日は華さんオリジナルの風景印を蒐集するためのノートをGET。引き出しに風景印を集めて自分だけの宝物にしたいですね!
※風景印は52円以上の切ってを貼れば押してくれるそうです
■エハガキ華さん
blog → ●
開催時間の16時を回ったら後片付けし、主催メンバーのひとつ「ハックルベリーブックス」さんで集計表を提出して終了です。さすがに慣れぬ行商。くたくたになってお腹もペコペコ。と、いうことでまっすぐこちらのカフェへ。
ハイ、ノースレイクさんです。
即、カレーを注文(笑)うま味がジュっと広がるカレーに、食べる勢いが止まりません!
珈琲を戴きながら松田さんご夫妻とおしゃべりをしていると、ノースさんでサイエンスカフェを企画されているご夫妻がご来店。と思いきや、さらにはいらっしゃったお客さんが、現在カフェで開催中の展示会「BIRDIES」の作者である杉山啓子さんと判明!にわかに盛り上がってまいりました(笑)
「BIRDIES」は、我孫子市で10月31日[土]・11月1日[日]に行われる「ジャパン・バード・フェスティバル2015」に因んで企画された展示会です。
■「BIRDIES 杉山啓子のエッチング“小鳥たち”」
会期 開催中〜11月3日[祝]まで
会場 North Lake Cafe & Books
杉山啓子さんwebサイト → ●
光を抱いた風が、小鳥たちを撫でたら、こんな色彩になるのでしょうか。
鮮やかに澄みきったエッチング画に魅了されます。
一箱古本市にカフェでの出逢いと、実に濃密で愉しい一日でした。
みなさま、どうもありがとうございました。
我孫子市「North Lake Cafe & Books」[2]〜言葉が集い、様々な人が集う。ハイブリッドに心地いい空間を
この日も、様々な出逢いがありました
Posted on 2015.5.8
颯爽と吹き抜けて行く風が心地いい。
緑道を行き交う人々と、
光を湛えた新緑の色彩は
春の躍動感そのもの。
深呼吸をすると、細胞が震える。
春の、手賀沼。
5月のGWを利用して、船橋市北部の実家に帰省。
そのついでに、学生の頃から行動圏内だった、
我孫子市と旧沼南町(現・柏市)に跨がる手賀沼を散策です。
そして散策後は、手賀沼左岸(北岸)側にあるブックカフェ、「North Lake & Cafe Books」さんで休憩です。ノンアルコールのモヒートが実に爽快な風味!動いた後の、この「グビリ」がたまりません。
軒先では沼南で農業を営まれる「Someya Farm」さんがプチマルシェを開いていて、思わずサラダセットや春キャベツを購入しちゃいました。本にカフェ、そして農。この自由な空気感、ハイブリッドな展開が楽しく、また心地いいですね。
■North Lake Cafe & Books
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この日は、もうすぐ東北への旅を控えていることもあり(盛岡でブックイベント「モリブロ」が行われるのです)、『考える人』(新潮社)の2012年春号を購入。また、まだ活版印刷の解説などが記載されていた、1981年発行の『編集ハンドブック』(デザイン編集室編 ダヴィッド社)も。写植の解説など、今のガイドブックでは見られないものなのでたいへん面白いです。いやぁ、改めてDTPになって便利になったんだなぁと実感デス。
お店を切り盛りする松田さんご夫妻に、京都の美山というところにあるお店、そして今のカフェを開くにあたっての原動力になったことなど、興味深いお話をしていただきました。そのお話の中で、兵庫県丹波市で発行された冊子を見せて頂きました。
『tocco. 丹波のくらしをつづる本』volume.02「小さく集うこと」
なんと、娘に贈るんだと、Northさんで弊著『房総カフェ』をご購入。その娘さんが作られている媒体なのだそうです。
富山県から移住してきた女性にフォーカスし、その暮らしぶりから丹波の魅力、いえ、ほかの地域の田舎にも通じる魅力を伝えています。
『心の中にあるほんの少しのわずらわしさを乗り越えて、誰かと時間や空間を共有する。それが人生に多くの糧をもたらしてくれることを、取材を通して私たちは感じました。』
そんなあとがきの言葉が心に響きます。
小さく集う社会と、そして家庭。
本をきっかけに、心に響く言葉が集まり、人々の集いが生まれる。
North Lake Cafe & Booksさんも、そんなカフェです。
手賀沼の自然、文学、民藝の街に、カフェという新たな文化の気配。我孫子という街の一頁を綴りはじめたブックカフェ「North Lake Cafe & Books」
Posted on 2015.1.4
2014年12月、我孫子にひとつのブックカフェが誕生しました
『朝八時三十五分に上野駅を出発、夕刻五時四十五分に一関に到着。すぐれた織手及川全三氏の出迎えをうけ、同夜ある民藝協会員の所有するホテルに一泊した。私たちは我孫子を経由、のろい列車で二百五十マイル旅行して来た。我孫子で三十五年の昔、私は柳の地所で沼のほとりに窯を持っていたことがある。列車から眺めると、少しも昔と変わっていないように思えた。間もなく北のはるか二十五マイルのかなたに濱田の益子の丘が見えた』
(『バーナード・リーチ日本絵日記』バーナード・リーチ著/柳宗悦訳/水尾比呂志補訳 講談社学術文庫)
昭和28年、19年ぶりに来日したバーナード・リーチの旅日記。
湖畔を駆け抜ける風と、
健やかな美を湛えた歴史が溶け合いながら、
現代へ。
今は、カフェの佇むレイクタウン。
千葉県北西部。
我孫子というまち。
◆
我孫子市のカフェ「小星」さんで、コーヒーのペーパーフィルターに描いてもらった散策MAPを頼りに、再び手賀沼の北岸エリアへ。残念ながらおすすめいただいた「吉岡茶房」さんは正月三が日はお休みでした。ですが、フィルターの端にさり気なく描かれていた「book cafe」、こちらは三日から営業されていました。
大通りに面したその場所は以前、自家焙煎珈琲のお店があったところ。珈琲屋さんは近くに移転されたため、その空間を改装し、ブックカフェとして生まれ変わりました。それが「NORTH LAKE CAFE & BOOKS」です。
■NORTH LAKE CAFE & BOOKS
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黒い天井からぶら下がる重厚なランプシェードが、整然と並ぶテーブル席を見つめています。エッジのきいたスタイリッシュな空間には、ひと呼吸置いて本と向き合うことのできる、心地良いシンプルさがあります。
カウンターの向こうからは仄かに漂う、珈琲と緩やかな時間の気配。
「ちょうどオープンして丸一ヶ月になります」
と笑う、店主の松田拓巳さんは我孫子のご出身。
書棚を拝見すると、我孫子の文脈から連なる本がそこかしこに佇んでいます。白樺派の志賀直哉や武者小路実篤のほか、柳宗悦や『手仕事の日本』等、民藝関連の本が並んでいます。ついつい私は冒頭の『バーナード・リーチ 日本絵日記』や、『写真・文学散歩―本の中にある風景―』(大竹新助著 社会思想研究会出版部刊 初版第一刷昭和32年)を購入してしまいました。
さらに、松田さんにお話を伺うと、お父様が、勝浦市の海辺のカフェ「Banzai Cafe」マスター、中村さんのお父様とお知り合いとのこと!(写真をやられている関係でお互いお知り合いなのだそう)。つい最近、中村さんのお父様がNORTH LAKEを訪ねて来たそうです。
「『息子が勝浦の海の近くでカフェやってるから、一度来てみてよ』
って云われてね」
と笑う松田さん。ぜひぜひ!湖畔のカフェから海辺のカフェへ、遊びに来てみて下さいね(笑)。そんな、愉しいご縁もあり、『房総カフェ』をNORTH LAKEさんでも置いて頂ける事になりました。ぜひ、県北地域のみなさんにも、千葉市や南房総方面のカフェの魅力を知って頂きたいですね!松田さん、本当にありがとうございます。