ものづくりの小さな星々を、静謐な空間の中に散りばめて。我孫子市「小星」さんで出逢った林美子さんの裂織コースター

凛としたしつらえの中に

過ごす時

往時、北の鎌倉と呼ばれ、白樺派の文士たちや民藝運動の先駆者たちが過ごした、手賀沼湖畔のまち、我孫子。水辺で水鳥たちとふれあい、白樺文学館で文化の匂いを辿る。歴史と湖畔の自然が溶け合った、その独特の風土を持ち得ているからこそ、我孫子は散策していて面白いのです。だからこそ、このまちにはカフェがよく似合います。


湖畔から天王台へ向かう、その道すがらの住宅街。

うっかりしていると見過ごしてしまいそうな佇まいですが、そのふたつの扉からは澄み切った空気感が伝わってきます。

ひとつの扉は奥様の営まれているちいさなパン屋「Path」。

そして、もうひとつの扉が旦那様が切り盛りする喫茶とうつわの店「小星」です。


■「Small Bakery Path」「喫茶とうつわの店 小星 」→  ● 



大晦日のこの日、「来年も宜しく」「良いお年を~」と声を交わす常連客に混じって、扉の向こう側へ。

手作りの木の棚に、設えられた全国各地の器の数々。


「私も民藝が大好きなんです」


という旦那様。その視線の先を見ると、スリップウェアの施された器が並んでいました。バーナード・リーチの影響なのでしょうか。昨年、島根の湯町窯で見かけたものとたいへん似ている器でした。


そして、その彩りが気に入ってしまったのが、コーヒーカップの下に敷かれていた裂織のコースター。

聞けば近隣にいらっしゃる作家さんで、林美子さんという方が作られているそうです。「おりもの工房 三日月」という屋号がありました。この裂織のコースターの上に、ショップカードがぽんと置かれていたりして、こういう使い方もいいなぁと、思わず首を縦に振ります。一番のお気に入りを、ひとつ購入しました。

帰り際、我孫子談義に盛り上がり、ついついおすすめのお店などを教えて頂いちゃいました。わざわざ、コーヒーフィルターに地図まで描いて頂いて・・・。果たして、このコーヒーフィルターから、どんな出会いがありますことでしょう(笑)