喧噪の向こうに光の気配を感じながら。冬の、カプチーノの味。八千代市「大和田カフェ」

川沿いを歩いた後に、

柔らかな午後のひとときを

新年のお飾りは、千葉市の蘇我にあるお花屋さんにアレンジしていただいたそうです
新年のお飾りは、千葉市の蘇我にあるお花屋さんにアレンジしていただいたそうです

印旛沼から導水され、幕張新都心で東京湾へと注ぐ、花見川。千葉市の「区」の名前のひとつにもなっている、北総から湾岸ベイエリアを縦貫するその川は、ベッドタウンのカドのある風景に、土と水の、柔らかな風を届けてゆきます。


そんな風土を醸す、幾つかのカフェの中で、ずっと訪ねてみたいカフェがありました。花見川の土手をウォーキングしつつ、京成本線の大和田駅へと向かいます。マスターが


「開発の進んだ八千代台と勝田台の間にある」


とおっしゃるように、まだ心地良い雑然さが残る駅前商店街の一角に「大和田カフェ」があります。

■大和田カフェ(八千代市大和田245)

webサイト →  ● 


昼下がりの陽光は、冬の微かなぬくもりを抱きながら、テーブルに降り注いでいます。

作陶家の「SOUDO」さんの器に、濃厚なチョコレートケーキ。そして、カプチーノを。


香り高き味わいの余韻を、空間に遊ぶ光に溶け込ませながら、ソファに身を委ねます。ふぅっ、と吐くちいさな息は、ちいさな幸せの証。

エスプレッソがおすすめというマスター。実は、過去にケータリングカーで営業をされていました。その時、偶然茨城県結城市にある「cafe LA FAMILLE」の奥澤さんと出逢い、刺激を受けたといいます。


「当時、私はインディーという屋号でやってて。

 オレンジ色の車でね。

 今も覚えててくれてるかなぁ」


と、懐かしそうな表情で微笑みます。たまたまこの日、私もファミーユで購入した服を着ていたので、話がどんどん盛り上がってしまいました(笑)。今は無き大和田の、ペリカンコーヒーの事も伺えてたいへん興味深かったです。


今年、三年目を迎えるという大和田カフェ。

現在は店内で「のらねこ市」やライブイベントを催されたりと、地域の「愉しさ」を繋ぐ拠点のひとつとして活動もされています。今度は、イベントの時に、また訪ねてみたいと思いました。


光の残り香を引き連れながら、再び街の喧噪の中へ・・・。