川沿いを歩いた後に、
柔らかな午後のひとときを
印旛沼から導水され、幕張新都心で東京湾へと注ぐ、花見川。千葉市の「区」の名前のひとつにもなっている、北総から湾岸ベイエリアを縦貫するその川は、ベッドタウンのカドのある風景に、土と水の、柔らかな風を届けてゆきます。
そんな風土を醸す、幾つかのカフェの中で、ずっと訪ねてみたいカフェがありました。花見川の土手をウォーキングしつつ、京成本線の大和田駅へと向かいます。マスターが
「開発の進んだ八千代台と勝田台の間にある」
とおっしゃるように、まだ心地良い雑然さが残る駅前商店街の一角に「大和田カフェ」があります。
作陶家の「SOUDO」さんの器に、濃厚なチョコレートケーキ。そして、カプチーノを。
香り高き味わいの余韻を、空間に遊ぶ光に溶け込ませながら、ソファに身を委ねます。ふぅっ、と吐くちいさな息は、ちいさな幸せの証。
エスプレッソがおすすめというマスター。実は、過去にケータリングカーで営業をされていました。その時、偶然茨城県結城市にある「cafe LA FAMILLE」の奥澤さんと出逢い、刺激を受けたといいます。
「当時、私はインディーという屋号でやってて。
オレンジ色の車でね。
今も覚えててくれてるかなぁ」
と、懐かしそうな表情で微笑みます。たまたまこの日、私もファミーユで購入した服を着ていたので、話がどんどん盛り上がってしまいました(笑)。今は無き大和田の、ペリカンコーヒーの事も伺えてたいへん興味深かったです。
今年、三年目を迎えるという大和田カフェ。
現在は店内で「のらねこ市」やライブイベントを催されたりと、地域の「愉しさ」を繋ぐ拠点のひとつとして活動もされています。今度は、イベントの時に、また訪ねてみたいと思いました。
光の残り香を引き連れながら、再び街の喧噪の中へ・・・。