仲買人による入札の様子を、間近で見学することができました
羽田から鳥取県の米子空港に到着すると、到着ロビーの片隅に置いてあった一枚のチラシが目につきました。
なんと、山陰随一の漁港を見学できるのだそう。
参加費は1人300円。
ううむ、おもしろそう。
勝浦漁港を抱える勝浦市から来た身としては、一度ぜひ見学しておきたい。勝浦漁港は見学会は行っていないので、逆に見学ツアーを行っているところがどういう風に行っているのか、興味があります。ちょうど9時からの回に間に合いそうなので、予約の申し込みをせんと電話をかけます。
呼び出し音がなる中、改めてチラシに目を通します。と、『予約受付終了はツアー実施3日前』と書いてあるではありませんか。これはマズい・・・と思った瞬間、電話が繋がりました。電話口に出られた男性の方が、いつ参加希望で何名参加か訊いてきます。
あのう、今日、1名で参加したいんですけど。
千葉から旅行で来まして・・・。
と、弱々しい声で伝えると、
「えっ?千葉から!?
うーん、なんとかなるかな・・・。
今すぐ、こっち来れる?
だったらやりましょう」
と、特別に参加OKに!
いやぁ、無理を言ってすみません。
すぐにレンタカーを走らせ、空港から境港へ。
到着すると、さすが境漁港、規模が大きい!
出迎えてくれたのは一般社団法人境港水産振興協会の「境港おさかなガイド」、野田さんと木村さんです。
「産地のPRになるということで、このガイドをやっています」
と木村さん。木村さんは元々漁港施設で働いていて、退職後、おさかなガイドをやられているそうです。野田さんは勝浦にも来られたことがあるそうで話が弾みます。
まずは漁港施設2階にある資料室へ。ここから場内の様子を見下ろすことができ、セリや入札をやっている時はその様子を眺めることもできます。
この資料室でビデオや模型を使いながら、境港の概況を学びます。境港市の人口は約3万5千人(H26.3末)。境港は全国に13ある特定第3種漁港のひとつです(なお、千葉県で特3指定の漁港は銚子漁港です)。江戸時代は地引き網をしていたそうで、北前船の寄港地でした。今は主力は巻網です。
「マグロが生で揚がるんです。
アジ、サバ、イワシのほか、
ズワイガニとクロマグロがなんといっても随一!
カニカゴ漁が行われている。
資源管理もやっていますよ」
と野田さんは胸を張ります。
座学の後は、漁港施設のさらに中へと入り込みます。ちょうど、入札が行われているところでした。
「ここは港の人たちの仕事場だからね。
そこを邪魔されるとやっぱりイライラするよね」
と、ご自身の経験も踏まえながら語る木村さん。そう、見学ツアーといっても、ここはあくまでも「職場」。例えば入札中に不用意に話しかけたり、勝手に危険な個所に踏み入れてはいけません。場内は車も行き交いますので、細心の注意が必要で、ガイドのお二人は「安全」に気を使われているのがよくわかります。
「よし、じゃあ大丈夫!」
といった具合にGOサインが出て、入札の現場で写真を撮らせてもらいます。
「よう!このハマチ、ちょっと写真撮ってもいいかい?」
と木村さんが顔なじみの仲買人に声を掛けてくれたりと、ガイドと港の人たちの意思疎通がとれているところも大きいです。
続いては船からの水揚げの様子を激写。
これがすごい迫力!
おっきな網で一気にドバァァァーっと水揚げしていきます。
いやぁ、これはすごい!!
水揚げと同時に水が施設にざばっとこぼれていきますが、木村さん、側溝を指差して
「コレ、汚水処理してるんですよ」
と説明を加えます。
そして、場内に置かれていたイワシのコンテナを前に、
「これがマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ」
と、分かりやすく3種のイワシを解説していただきました。イワシも様々な種類があるんですね。
こうしてエキサイティングな境漁港見学ツアーは終了!
ですがこの後、ご丁寧にガイドマップを頂き、オススメスポットをご紹介してもらい、さらに木村さんに、魚の剥製を展示した「海とくらしの史料館」まで同行していただいちゃいました。
さらにさらに、おすすめの海鮮食事処まで教えて頂いちゃいました。それがここ、「味処まつや」!
いやぁ、見学に海鮮丼にと、大満腹の境港めぐりとなりました。野田さん、木村さん、どうもありがとうございました!!