何もない、と思われていた内陸にこそ、
豊かな暮らしのヒントが佇む。
ご夫妻の穏やかな第二の人生が
ここにありました
「カフェ 楽」
千葉県長南町小沢710
10時~17時
月曜定休
深い軒の下を潜り抜けてきた光が、模様硝子をゆっくりとすり抜ける。サイフォンで淹れたコーヒーの蒸気が、細やかな陰影を描きながら刹那に消えゆく。
「元々ここは納屋だったんです」
と、カウンターの向こうから語りかける「カフェ 楽」の店主、鈴木さん。納屋とはいえ、2階建てで広さもあり、天井には立派な梁が建物を支えています。都心にいけば立派に一軒の住宅として充分機能しそうです。
北海道にある焙煎珈琲店「珈琲きゃろっと」のコーヒーを飲み干し、お腹をさすりながらランチの余韻に浸ります。鈴木さんの「主婦力」を活かした日替わりランチは素朴さの中にもひと手間が感じられる料理でした。ロールキャベツならぬロール白菜に、ひよこ豆とチーズの焼きカレー。ご飯にはひじきとキャベツの炒め物やつくねが添えられます。
入口脇にはピザ窯がありましたが、水曜、土曜、日曜限定で、窯焼きピザが品書きにのぼるそうです。機会があればこちらも試してみたいものです。
「楽」は東京から越して来た鈴木さんご夫妻が2013年10月22日に開いたカフェ。たまたまメディアで物件の情報を見て、現在の家と出逢ったそうです。建具をきれいに磨いたり、陶芸の腕を活かして表札を作陶されたりする中、ご主人はピザ釜を自作。今はお店の看板も製作中とのこと。そして今後は母屋の方をイベントスペースに使えればと、嬉しそうに奥様が微笑みます。新たな新天地で、一つひとつのことを手作りで組み上げていく。そんなご夫婦の姿は、愉しい暮らしぶりの姿であるのかも知れません。