昨日は千葉県のタウン情報誌『月刊ぐるっと千葉』3月号の発売日。今特集ではノスタルジックな千葉県内の洋食屋さんが網羅されています。佐原の「東洋軒」さん、現在開催中の「さわら雛めぐり」のついでに立ち寄れたらいいなぁと、愉しい妄想が膨らみます。
さて、今月のいっぴんさんは南房総の港町・千倉のいっぴんです。
本誌で同じく連載中の、千倉在住のイラストレーター・山口マオさんと
「あいつとはクラスまで同じだったんだよ」
そう、快活に笑うのは蕎麦店御用達の本枯節の鰹節・鯖節を製造する「羽山商店」の二代目、羽山政一さんです。羽山商店では鰹節・鯖節の製造だけではなく、未利用魚の活用をきっかけに、約40年にもわたりカワハギをつくり続けています。
一枚一枚手作業で加工される、その詳しい製造方法はぜひ記事をご覧頂きたいと思いますが、下見に訪ねた時は手に入ったものの、取材時には入手できなかった幻のカワハギがあります。それが季節限定商品の「生干し焼きかわはぎ」です。
通常カワハギというと、ローラーで伸して焼かれたものが一般的ですが、羽山商店では天日干しした後の焼きを入れる前の生の状態でもカワハギを販売しています。それは自分でカワハギを炙って「レア」な焼き加減にして食べるのが一番おいしいから。ですが、運がいいと、その「レア」な状態に仕立ててくれて販売される場合があるのです。それが「生干し焼きかわはぎ」です。香ばしさと、なんといってもプリッとした身の充実感がたまりません。一度ぜひ試していただきたい味わいです。もちろん、生のカワハギを自分で炙るのも愉しい時間ですよ。
太平洋をバックに広がるカワハギの天日干し風景。
冬の千倉の風物詩です。
その風景の向こうには、奥深いおいしさが潜んでいるのです。
東京の隣だから、
文化度が低い?
名物がない?
個性が薄い?
東京24区、ちばらき…
なんと云われようとも、
食と真剣に向き合う
「べっぴんさん」な心を持つ人が
「いっぴん」を生み出し続ける。
だからこそ、房総のプライドは
編集を求めているのです。